Painter12製品発表会


Painter12製品発表会に行ってきました

遅くなってしまいましたが、6/30に東銀座の時事通信ホールで開催されたCorel Painter12の製品発表会に行ってきました。そのときの様子をちょっとだけ書いておきます。

CorelPainter12製品発表会

社長挨拶やPainter12の概要的な部分は省略します。
ここでは新機能・機能変更点と発表会の様子などを私の雑感と合わせて紹介します。
(公式の情報は上記プレスを参照して下さいませ)

Painter12の新機能

今回のバージョンアップのポイントは第一に「パフォーマンスの向上」とのこと。 具体的なアピールポイントとして4点説明されました。

1.長時間作業やブラシブラシストロークが重い→64bit Windows対応、マルチコアCPU対応

mcore.jpg
会場では11と12を並べて太いブラシで描画を比較したり(90px位のアクリルだったと思います)、大きい画像(7000px程度)をぐるぐる回して11のように「カクカク」引っかからない様子がアピールされていました。

実際に操作してみた感想としては確かに11よりも全体的に描画が高速になっています。 ただし、取り消し回数(「取り消し」で前に戻れる最大回数)が大きいと描画後のもたつきが目立ちます。これは以前からの問題ですが、今回12で取り消しの最大回数が256回まで拡大されたのでより影響が目立つようになってしまいました。設定変更の際は要注意です。

64ビット対応はやはりWindowsが先行しました。
Mac版の64bit対応については公式の発表はありませんでしたが、アップデートパッチで対応する予定との話だったので、頑張ってはいるようです。

ちなみに7月登場予定のMacOS10.7(Lion)には既に対応済み、とのこと。
先行で発売している英語版は対応パッチが出るようです。

2.拡大時の画質が良くない→拡大時の画質向上機能

zoom.jpg
これも前々からユーザに言われていた問題にやっと対処が入った形です。
ユーザの間では拡大時というよりは縮小時にアンチエイリアスがかからない、という
言い方をしている事が多かったと思いますが、結果としては12でとても良くなった印象です。

半分開き直りと言うか、アンチエイリアスのON/OFFを設定ではなくパレットのボタンにしてしまったのは上手いやり方という印象を受けました。 実際アンチエイリアスがかからなかった時代が長かった事もありそっちに慣れてしまっている人も結構多いはず。。作業に応じて手軽にON/OFFできるのは結構便利です。

3.描画時の全体像が分かり難い→ナビゲーションパネルの追加

navi.jpg
Photoshopのアレ、ですね。というか大抵のグラフィクスソフトには付いている機能なのでPainterだけ何故なかったのか不思議な位です。。

4.水彩・油彩をもっとリアルに→リアル水彩・リアルウエット油彩ブラシの追加

今回もお約束のブラシ追加です(笑)。上記の他に「フィルタ」(英語版だと"Gel")が追加されています。
ブラシの感触は紹介ページを見て頂くのがいいと思います。個人的にはフィルタブラシがヒットです。

一つ苦言を呈するなら、水彩ブラシの氾濫状態をどうするの?という所でしょうか。。 もともと「デジタル水彩」「水彩」とある所に今回の「リアル水彩」です。 経緯を知っている既存ユーザには別に大した問題はないのですが(気に入らなければ使わないだけ) これからPainterを勉強しようとしている人や、体験版を触ってみようとした人に理解できる状況ではない気がします。 (本来はそういう部分は書籍やネットの解説で補完できるのが良いのでしょうが...)

イラストレータ安倍吉俊氏のお絵描きデモ

機能紹介に続いて、安倍吉俊氏による制作実演が行われました。 線画から下塗り+表情の描き込み少々、という内容で時間にして30分。

制作の様子は動画で公開されていますので、ここではお話の中でメモした事を幾つか...

  • Painterはver2,3あたりから使っている。18年くらい?
  • 絵を描くときは線画には(アナログの)鉛筆を使っている。マンガは線もデジタル
  • Painterで使うブラシはほぼティント(丸筆)のみ。不透明度とにじみを少しカスタマイズしている
  • デモの作品はB4の400dpiくらい。12だと太いブラシでも描画がスムーズになったと感じる
  • 一枚描くのに構図を考える所も含めて1,2日〜1週間程度
  • 実際に塗る作業は4,5時間〜20時間くらい。塗り始めたら一息で仕上げる
  • 作業工程はいつも大体同じ。問題になりそうな部分は線画の段階で潰しておくので塗りの 作業はスムーズ。ただ、カラーパレット等は使わないので色を毎回その場で考えてる、といった事はしている
  • 最後の仕上げにはPhotoshopを使っている

「既存の分類にはいってしまわない」ものを大切にしたい、という言葉が印象的でした。

日本語版の発売スケジュール

ダウンロード版

6/30から購入可能になりました。通常版が62790 円、アップグレード版が31,290 円(PainterX or 11が必要)です。 8/5のパッケージ版発売まで、5%割引が適用されます。

CorelのStoreから購入すると売り上げの一部が震災義援金として寄付されるそうなのでパッケージが必要ない方はダウンロード版でも良いと思います。

パッケージ版

上記しましたが、パッケージ版は8/5の発売予定です。 Painter9以前のバージョンやSAI・イラスタ等を持っている向けの優待版もありますから事前に確認をされると良いと思います(ペンタブの付属ソフト等、当てはまる方は結構いるはずです)

・・・私の絵がパッケージのどこかに入っているらしいです

体験版

Painter12のページからダウンロードでき、30日間保存も含めた全機能が試用できます。 (残念ながら英語版と日本語版で体験版のライセンスが同じようです。英語版で試用していると日本語版を入れても試用期間は伸びません)

雑感

バージョンアップは間違いなし。・・・じゃあ新規購入は?

Painterユーザの間では、英語版の時点で非常に評価の高いバージョンなので、既に使っている方は環境さえ許せばバージョンアップして損はしないと思います。

ただ逆に、機能が追加されて便利になっている分、新規のユーザには非常に複雑で難しい印象を与えてしまっています(この点はマーケティングの方ともお話をしました)。

Painter好きとしてやりたいこと

Corelの広報にも問題はありますし、ネット上の情報も「Painterで絵を描く楽しさ」を伝えるものよりも圧倒的に専門的・マニアックな情報に偏ってしまっているのが現状です。Painterユーザを集めてコミティアでワークショップでもやったら楽しいかな・・・なんて考えてはいるのですが。

アイデアやご意見あればお聞かせ下さい。

あとは入門用の書籍は出ないのか、とよく聞かれるのですが・・・難しいようです。
私でよければ書きますがどうですか?>corelさん・・・とか言ってみる。

このブログや私のtwitter(@yuneco)でもできるだけわかりやすくPainterの楽しさを紹介していけたらなぁ・・・とは思っています。Painterやお絵描きに関心のある方は、気軽にリプライ飛ばして頂ければありがたいです。Painterネタは全レスします。


2011.07.10 ゆき


このブログ記事について

このページは、ゆきが2011年7月10日 19:50に書いたブログ記事です。

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