CorelCinco @ Painter12.2 レビュー


Painter12のアップデートがきました。12.2です。

巷では新しい水彩のことで持ち切りな感ですが、個人的にはあえて、Painter12.2と一緒にリリースされた附属アプリ”CorelCinco”に注目してみたいと思います。

Cincoって?

さっくり言うと、「PainterのパレットがiPadから操作できるよ!」っていうiPadアプリです。

・・・それだけ?
うん、それだけ。

期待していたPainterユーザの落胆はかなりのものだったようだけど(←そのひとり)まあ、それはそれとして。 画面から意識をそらすことなく、空いた手で直感的にPainterの操作ができるっていうのは悪くないです。

インストール&初期設定

1. 環境を確認する

CincoではiPadとパソコン上のPainterを連携させるため、wifiネットワーク経由の通信を行います。なので、iPadとパソコンが同じネットワーク上にある必要があります。
まあとりあえず設定やってみて、上手く行かなかったら下のチェックポイントを確認してみるとよいです。(私は概ねすんなり行きました)

  • iPadはwifiでつながってる?3Gで使ってる場合はwifiに切り替えましょう。
    そもそも自宅のネットワークが無線じゃない場合はどうしようもないです。。

  • FireWallつかってる?iPadからの通信がブロックされてるかも。
    Macの標準設定なら問題になる事はないはず。

  • wifiの「AP隔離」設定はOFFになってる?
    よく「プリンタが無線LANでつながりません><」なんて質問が上がっているのと同じ問題。
    一部の無線ルータはセキュリティの配慮から、初期設定で同じネットワーク内の機器が見えないよう隠しているものがあるようです。この場合無線ルータの設定が必要です。
    設定名や設定方法は機器によって違うので注意。。友人のPocketWifiはこれでした・・

  • もしかして:公衆無線LAN
    できない理由は上と同じです。公衆無線LANの設定は変えられないのでどうしようもないですね。というかカフェとか空港とかでPainter使う人はそんなにいないと思うけど。

2. アプリインストール

説明不要ですね。一応リンクを貼っておきます。 AppStoreでは「corel」とか「cinco」とかで検索すればでてきます。もちろん無料。

store2.PNG

3. Painterの設定

Painter側は12.2にアップして、Painter環境設定から「附属アプリケーションからのPainterへの接続を許可する」をONに。「認証コード」は入れても入れなくても。 painter_setting.jpg

4. iPadでcincoを起動

最初に接続先のコンピュータを設定します。起動するとConnectionダイアログが表示されるので、下の「Enter Host-Name or IP Address…」をタップ。

3の設定画面で表示されていたIPアドレス(or ホスト名)を入力します。 表示

5.connect!

パレットが表示されます。
次回からはPainterとcincoを起動すればすぐにつながって作業できるようになります。

実際の作業環境はこんな感じ。机が狭いです。。 desk.JPG

基本操作

無事起動すると、こんな画面がでてきます。 cinco.PNG

  • [A] … 設定:接続先の変更やボタン配置の変更を行います
  • [B] … ボタン群を切り替えます「View」「Sketch」などいくつかのセットが登録されています。他にPainter側のカスタムパレットを追加する事ができます。
  • [C] … ボタン。常に5個だけ表示されます。数が多い場合は背景部分を左右にスライドして表示できます。

簡単です。

カスタマイズ:バレット編

で、無事使えるようになったのですが、多分誰もが

「え・・これだけ?」

って思うはず。ツールが5個しか出ないのです。

まあ名前(cinco = スペイン語で数字の5)からして当然というか、多分ここらへんは基本的なコンセプトなんだと思います。

幸いな事に、cincoではPainter側で定義したカスタムパレットを表示する事ができます。 これを使って、cinco専用のパレットを作っておく事をおススメします。 cpsetting.PNG

  1. 新しいカスタムパレットを作成
  2. 普段使っているブラシやテクスチャ等々をShift+ドラッグで登録
  3. 5個単位で並べ替え
    ラフ用、塗り用、仕上げ用、など作業工程や場面毎に必要なアイテムを5個単位で並べていきます。
  4. 作ったカスタムバレットに名前を付ける
  5. cincoの設定(Aの歯車アイコン→チェックアイコンの順にタップ)を開く
    上で作ったcinco用カスタムパレットが見えます。これを選択

使うツール類が限定される作業では5個でも結構使える印象です。

カスタマイズ:配置編

もちろんボタンの配置もかえられます。私は左利き(=バレット操作は右手)なので初期配置では使えません。

配置を変えるには設定のから手のアイコンを選びます。 説明を見る限り、適当に5本の指を置くと後はよしなに・・・と思えるのですが、とりあえず私のiPadは落ちました。どうもこのあたりはかなり不安定なようです。

親指から順番に一本ずつ置いていくと比較的上手く行くようです。

まとめ

正直機能は非常にシンプル(=貧弱)で、はっきり言ってキーボードを傍らに置いた方が遥かに効率的です。(余談ですが、Painterのキー操作対応はかなり優秀です)

それでも、iPadでPainterを操作する感触は中々に面白いです。今後の展開に期待する意味でも、★4つくらいはつけてプッシュしておこうと思います。

ダメな所は下に要望として。

おまけ:そんなわけで、要望とか

  • ボタン操作の改善
    ボタンが小さいので、ちょっとでも油断すると位置を見失います。わざわざ設定画面に行かなくてもキャリブレーションする方法はあるはず。
    例えば↓

    5本指でタッチ→(自動で位置合わせ)→好きな指でタップ って操作ができれば、ボタンの位置を気にしないで使えるのになぁ、、って

  • ピンチとかスワイプとか
    かなり根本的だけど、ボタンじゃなくてジェスチャーで操作できたら楽しそうです。というか、まとめで書いてしまったけど、ボタン押すだけならキーボードでいいんです。

ジェスチャーでボタンの位置を気にしないで使えたらかなり使えるツールになると思います。  

問題は、現状cinco→Painterの連携はhttpでメニュー操作相当のコマンドを送る機能しかないこと。ピンチやスワイプのリアルタイムな操作をそのままPainter画面に反映させるためには連携のプロトコルから拡張が必要になる気がします。うーん…

このブログ記事について

このページは、ゆきが2012年7月29日 16:57に書いたブログ記事です。

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